はじめに
The Elder Scrollsシリーズのナンバリングタイトル
TESⅤ Skyrimでは
リーチ地方を通ると「フォースウォーン」と呼ばれる
野蛮なNPCに襲われることが多く
彼らに関わるクエストも後味が悪いため
「リーチの民(リーチメン)」というものにあまりいい印象がないかもしれません。

獣の骨や皮をもちいて作られた武具を身にまとっており、
山賊と大差がないという印象を持ったプレイヤーも多いのではないだろうか?
今日はそんな彼らをESOのダウンロードコンテンツ「マルカルス」で
見て、知ったことをつらつらとまとめて書いていこうと思います。
よろしくお願いします
生活

産業

槍のように尖った山々と、急流の河川で挟まれたリーチ地方では、
農耕をおこなうことは非常に困難なようです。
耕作

基本的にマルカルスの街の食料品は輸入に頼っていることが分かる


マルカルスのはしっこで緑を植えようと努力している姿が描かれている

ジャガイモ や キャベツ が細々と生えている。
ほんの小さなスペースではあるが、彼らにとってはとても大事な場所だったのかもしれない
水産

狭い合間を縫うように流れるカース川はとても氾濫しやすく、あらゆるものを流し去るが
多くの魚をもたらし、生活用水として重宝していると書かれている。
産卵の時期になると、子供が手づかみで取れるくらい豊漁になるらしい

リーチの特産

ゲーム内書籍「ドルアダッチ山脈の動植物」より
- ジュニパーベリー(杜松実):ハチミツ酒の香りづけ、お菓子作りなどに
- 垂れ苔:錬金術の素材となる苔。ドルアダッチ山脈は湿気が多く驚くほど生えている
- モラ・タピネラ:倒木や腐敗した切り株に自生するキノコ。錬金素材になる
- 雪熊:やわらかく光沢のある白い皮が素晴らしいが、非常に危険な生物。
- リーチメア:気難しく気性が荒いが、忍耐力が高い馬。
- ハグレイヴン:基本的にとても危険な老女。羽や爪などは錬金術の素材になる。
食事

「飢えたヤギみたい」と言われるくらいなんでも食べるようだ
リーチメン料理
リーチの民だった ロングハウス帝 が帝位につくと
シロディールの人々はリーチに興味を示し
「リーチの食べ物の手紙」という
マルカルスにいる商人から届いた手紙が
出版物としてベストセラーになったと言われている。
- 基本的には 大麦 や 干し肉 を主食にしている
- 「ヴァレン」長い針のような食器。フォークのように刺して食べる道具?名称誤訳の可能性(※ 後述)

リーチでは祝宴はめったにないのだ、小鳩よ。土地は厳しい 我々のようなブドウや小麦は栽培していない 乾燥肉のような硬いものや オート麦のような 動物に与えるものを食べる しかし、祝祭日には、それが変わる!多くの料理が一族で分け合って食べられます。リーチフォークは狩猟用のナイフと、それをすくう皮、そして時には短いキルティングニードルのような道具を持って食事をします。
文中、ナイフとフォークに関して「ヴァレン」の名前出ず。(Deepl翻訳より)
リーチメンのごちそう
- 「ハーシーンの分け前」 ネズミ、兎、雷鳥、山羊、雌鹿、雄牛の順番で包む肉料理
- 「リーチのスープ」苔の付いた石を鍋で煮て作ったスープ。薄っすら酸味がする
- 「スモークした鱒や鮭のクリームシチュー」一番おいしそう。

- 「アルドノット」干し肉を砕いて粉末状にし、脂を混ぜたペーストにしたあと、謎の粉で形を整え結び目の形にする料理。お菓子のようなものらしい?
- 「魔女の水」何かの植物と種をすりつぶして冷水でまぜあわせたもの。そのままだと個体だが、かき混ぜると液体になる。味がないが食べ応えがあるらしい
- 「リーチメンのパン」一般的なパンとは違い、さまざまな根っこを茹でて皮を剥いだら、壺に入れて火のそばに置く。そこからすくい取ったものがパン生地のようになる。皮がうまい
- 「リンゴ」リンゴをクリームと一緒にボウルに入れて食べる。子供用のデザート?

リーチ地方のお酒

- 「リーチのリンゴ酒」とても色が濃く、甘くて、カビ臭い。呑むのには慣れが必要だがリーチの野生種のリンゴでつくられたものが多く、部族によって多種多様なリンゴ酒が存在し、良いものもあれば最悪のものも存在する。
- 「クレフ」発酵させた羊の乳酒。「ただ酔っぱらうために飲むもの」と書かれるほどまずいらしい。リーチメン以外には、ただただ迷惑な贈り物になりそうだ。
経済
リーチの人々は、主に狩猟や放牧、果実の確保によって
食料を確保し、物々交換による
原始的な経済活動が行われているようです。

マルカルスにやってきた貿易商たちにとっては悩みの種となっている。


フロルダンの輪


暴力沙汰を禁止して、情報や物々交換の中枢となっている

オールドフロルダンという宿屋が建っている
道具

リーチメンの多くは、狩猟した獣の皮や骨、木材をつかって
衣服や道具、武器や防具なんかを作り出す。



「自然から生み出されたものではない」という信仰的な理由らしい?
革製品は非常に優れていて、熊、ヘラジカ、
狼、ワタリガラスなどが型押しされているらしい

とくに鍛冶に関してはかなり遅れているようだ
さまよう守護者

リーチメンとドワーフをミックスしたようなモチーフ作られ始めた。


古遺物

トレイルメーカー(歩道作成)という道具で、
地面をならしたりして道を作ることができる道具のようだ。
道を作ったり消したりすることができれば、
安全だと思っていた場所で休んでいた敵を強襲して混乱させたり
道があるはずの場所がなくなっていたりしたらと考えると
なかなか戦術的な道具なのではないだろうか?


致死性の毒がぬられていたというリーチ王の槍先。
リーチの戦士たちの毒に関する知識が高いことがうかがえる
文化

人間が心を持つかぎり、どのような場所に住んでいたとしても人々は 「心の拠り所」を探し、「そうならざるを得なかった歴史」を経て文化が育まれる。
舞踊


踊りという文化にどれだけ熱意を持っているかがうかがえる
結婚

場合によっては「大族長」が間に入って婚約の儀を執り行う

お墓

故人が愛用していたものと一緒に埋葬する模様


リーダー
ESOの時代では、二人の人物が実質的にリーチのリーダーとなっていました
マルカルスの実権を握る「アルド・カダッチ」
部族間に問題があったときに第三者として立ち会う大族長「カニアー」
アルド
マルカルスの街で最も強い族長が
砦の王を意味する「アルド」となり、街を統治するようです。

ブラックドレイクの族長「アルド・カダッチ」
威圧的な態度を崩すことがなく、
反抗的だった親族をマルカルスの一番高い壁から落として
処刑するといった残酷な一面を持っている
アルドという特別な称号から察するに
石の街「マルカルス」がリーチ地方統一にどれだけ特別な場所かがうかがえる

自身やリーチメンに足りない部分は登用で補っているらしいことがわかる。
かつてブラックドレイクの部族がシロディールを席捲したときに
多様な文化に触れたおかげかもしれない

アルド・カダッチに忠誠を誓い、リーチの治安維持に貢献しているリーチメンも存在する。
大族長
リーチの民は多くのクラン(部族)が存在し
部族間で問題があったときは
事前に決めておいた「大族長」に権威を預け、
仲裁を行ったり、第三者の視点から問題解決をはかるようです。

リーチの部族一覧
- ブラック・ドレイク:リーチの民を統一し、皇帝の一族となった部族
- イーグルシアー:大部族の一つ。好戦的だが、外からの来客には友好的
- シックスフォード:大部族の一つ。イーグルシアーとは不倶戴天の仲
- リバーエルク:大部族の一つ。一度信頼を得れば取引が可能な部族
- ソーンルート:大部族の一つ。ブライア・ハートの戦士が多く、よそ者に厳しい
- シンダーハート:好戦的で、捕虜を燃やしてブライア・ハートをつくるという
- ゴーストソング:ナミラを崇拝するクラン。孤立を好んでいる
- ヒルハンター:遊牧の狩人であり、木工技術が高いクラン。
- シェイドフェザー:ハグレイヴンが率いるクラン。凶悪であらゆる者を捕虜にする
- ワイルドスピア:狂信的なハーシーン信者のクラン。最高の獲物を欲するという
- ミストランナー:リーチのクランにしては珍しく、ウッドエルフと耕作を行っている
- スピリットテイル:「リーチの捜査官ヴェイル」というゲーム内書籍で登場する部族
- スピリットブラッド:帝国から「戦うな」と厳命されるほどの強さを持つクラン。厳しい試練を乗り越えた者のみ、成人になれるという
・部族の特徴は、指導者の方針によるものが大きい
・部族は族長の子同士の婚約によって統合されたり
部族内の抗争で分裂して増えることがある。

信仰 =霊魂崇拝=



部族や、家系ごとにどこを崇拝するかは全く異なるようだ。
リーチメンの主な崇拝対象
ハーシーン

「狩猟の父」「古きエルクの目」「狩りの王」「獣の父」「皮を作るもの」「五又槍」ともよばれる。自然界における弱肉強食と知恵を授ける霊魂。
TESⅤSkyrimの時代ではディベラ神殿になっている場所で崇拝されている。

獣の姿で現れると言われている

ある部族では霊魂の護符をつくり、部族から離れた場所で死んだ場合
護符を持ち帰って供養するといった重要な祭具も存在する。

なれるものは非常に限られている模様

「ハグレイヴンの目」、「輝くリバーシェール」、「ブライア・ハートの種」を火にくべて捧げ
同盟締結のゆるしと、将来を占う儀式を行うことになる。
なぜかゲーム上では大蛇座(現地のもののいうところの敵を意味する星座)が出現。
祝福されているらしいことが語られるが…
ナミラ

「廃滅の女公」「霊魂の女王」とも呼ばれる大いなる霊魂。
死と再生を司るといわれ、リーチの民の死出の旅路を見守るらしい


【地下深くに存在するという 古代の闇 が目覚め、ナミラを信じる者が救われる】
という予言があると言われている
そのほかの霊魂
モラグ・バル

嘘をつくとモラグ・バルに連れて行かれるらしい。処罰と掟の霊魂?

内容から察するに刑罰か処刑にしか思えない内容
ノクターナル

カースワステンの村にいる部族、クローアイクランでは
ノクターナルの霊魂と積極的に交渉し
結界を張るために【柳の枝】【月を測る石】【セミの抜け殻】を捧げて
儀式を行うクエストがある
ちなみにカースワステンの住人は、
外界からの取引を行い侮辱するようなこともなく、通貨も使用できる部族らしい。
ノクターナルからの助言からなのだろうか?
語り部 =ヴァテシュラン=


「ヴァテシュラン」という語り部が歌うことによって歴史を伝えるといわれている。
「歌を守るもの」「栄光の舌」とも

狩猟生活を行う部族の中で使う必要がなく、
リーチメンの対内的で実用主義的な思想が垣間見える

赤鷲伝説

リーチの英雄「赤鷲」に関わる歌も登場する。

史上初、最高位に属したリーチメンの英雄

魚人伝説

戦闘部隊を洞窟に送り込むも何も見つからず
帰還した夜に多くのものが襲われ、一か月間の厳戒態勢をしくと何も起こらず
通常の見張りに戻すと長老が吊られ、子供たちが姿を消したという怪奇談。

おそらくファルマーのことだと思われる
ドワーフの遺跡を探検していればいやでも遭遇するクリーチャーのため、
リーチの民はドワーフの遺跡にほとんど興味がないのではないかと思われる
魔剣 ウンブラ

「ナエンラ・ワエル」というリーチの魔女が作り出したと言われている

使用者そのものが「ウンブラ」と呼ばれ TESⅢ や TESⅣ でも登場している魔剣
成人の儀 =ヴァテシュラン洞穴=
スピリットブラッドの部族は非常に勇猛で
成人の儀式のときには、ヴァテシュラン洞穴という場所に
三つのオブリビオンの次元を開いて
若者に制覇させるという試練が存在する

永遠に残るヴァテシュランの歌を勝ち取ることができると言われている



この3つの次元の先にいる勇者たちを打ち倒し
帰還したのち、初代ヴァテシュランと手合わせしたものが
一人前の部族の一員になると言われている

ヴァテシュラン洞穴の試練に挑戦することができる

初代ヴァテシュランの「エイドラン」と手合わせを行うことになるそうだ
そのほか
ブライアハート

リーチメンの間で繰り返されている
死霊術(?)の一種と思われる秘術。

ブライア・ハートが収穫される


ブライアハートとして蘇った戦士は強大な力で部族を守るとされる

ハグレイヴン


むしろリーチの魔女たちからはろくな連中ではないという認識がある模様

上述した「ブライアハートの儀式」の際に力を借りたり
クランが困難の時になったときに呼ばれるようだ。
スカイリムにいるノルドたちが呪術的なものを忌み嫌うことから、
スカイリムにいるハグレイヴンも基本的にリーチメンを顧客にすることが多いのかもしれない
ノルド

ノルドたちとの激しい戦闘の歴史がうかがえる。
フィクションの可能性はあるが、
呪術を邪法とし、デイドラを忌み嫌ってきたノルドにとって
リーチの民は、相容れない天敵として認識されてきたことが容易に想像できる。
最後に
リーチは厳しい山々が点在し、
急流のカース川は恵みと天災をもたらす土地です。
霊魂という悪しきデイドラにすがりながらも
その力とリスクを理解し、生活する彼らを
野蛮と理解するか、なるべくしてなったか
ブログ読者の方々にほんの少しでも
考える余地が生まれていただければ幸いです。
